昨夜遅くに途中まで書いてたら、一階のベッドに寝付いた筈の息子が「キ〜〜〜ッ」と奇声を発し(夢見たのね)、そのまま添い寝のつもりが寝てしまった為、再度書き直しです。
EDDIE C.CAMPBELLが、ツアー中に倒れ、
MAGIC SLIMも病に伏したという情報が、世界中のブルースファンの間をシェアという形でここ数日駆け巡っている。
昨夜、シカゴのクラブでは、BRING EDDIE HOME!!!というEDDIE C. Campbellへのベネフィットライブが行われた。
ネット上で生中継が観られたそうだが、当然ながら仕事である。
出演のクレジットはそうそうたる顔ぶれだ。
現在も下記アクセスすれば、フリーで観られるようです!
http://gigity.tv/event/905/
詳しい状況は把握していないが、EDDIEは、なんでもツアー先のヨーロッパから帰国出来ない経済的な状況だとか・・・。
MAGIC SLIMの病状もとても気がかりだ。
両者とも、ボクがブルースを始めたきっかけをもたらしてくれた無二の存在だ。
日雇いアルバイトで手にしたなけなしの現金の使い道の選択肢は2つしか無かった。
パチンコか麻雀の元手にするか、レコードを買うか。
ボクがブルースに興味を持ち出した頃(1980代後半)には、ブルースの名盤は相次いでCD化の途中であった。
しかし、大阪にも中古レコード店は、まだまだ数多く残っていて、レコードが棚にぎっしりと並んでいた。ブルース関係は大手ショップでは今や隅に追いやられて久しいが、当時は中古レコード店での存在感はとても大きかった。
「BLUES」「シカゴブルース」と手書き文字に心が躍ったものだ。
勿論、いわゆるボクは収集家ではない。
何千枚とレコードを所有しているという人の夢みたいな話を噂でたくさん耳にした。
手っ取り早いCDについ手が伸びてしまうことに一種罪悪感すら覚えたものだ。
中古盤にはプレミア価格の値札がついていることも多く、日本盤帯び付きとか、ジャケット違いだったり、廃盤などにいたっては、とても日銭では買えない数字に財布は開かなかった。
今や完全に音楽ソフトは、買い手主導だが、その時分はまだ売り手市場だったのだ。
ボクの友人達の一部は、ひたすら買い漁った口だが、ボクはそのおこぼれを預かる感じで、彼らの部屋へ昼夜問わずに日参したものだ。
針を落とし初めて聴くそれらの音源に唸ったり、予想外れでガックリきたり(得てして、その頃しっくりこなかったものが、今頃これええなぁとか思うから第一印象を信じてはならない)。
ボクの元には、結局は数少ないレコード盤しか無かったが、友人が東京でレコード店を出す際に、ほとんど手放してしまったと記憶する。もうすっかりCD再発や新譜に触手が移っていたのだ。
現在、もはやレコードは、数えるほどしか残していない。
後悔先に立たずだ。
それよりなにより、ハシゴした中古レコード店のほとんどが、その姿を消した。
時々、ジャムなどで先輩方とその頃の話に花が咲く。
無心に大概段ボール箱に隙間無く収納されたレコードの僅かな背表紙の文字を早く的確に読み取るかで、店主には初心者か玄人か見分けがついたはずだ。そんなこんなの労力をかけても財布と相談して、収穫は2、3枚。
でも嬉しかった。
ダウンロードやネット注文が当たり前な若い世代にこんな昔話(と言ってもたかだか10数年前)を語ると、たいていは煙たがられるから気を付けている。
EDDIE C. CAMPBELLとMAGIC SLIMのレコードは、同じ物はCDでちゃんとのちに買い直しているが、何枚か残していた。
ボクにとっては、バイブル的なそれぞれ一枚。
EDDIE C. CAMPBELL
『KING OF THE JUNGLE』
これは、所謂ジャケット違いだな。どこで買ったのか、
値札シールに1,880円とある。「細かぁ・・」
若き日のLurrie Bellがベースで2曲参加(父上のハープも快調)
何よりもドラムスClifton Jamesのシャッフルは、シカゴ・ブルースのお手本です。
上のベネフィットにも、LurrieとベースのBob Strogerが参加しています。
MAGIC SLIM & THE TEARDROPS
『RAW MAGIC』
MAGIC SLIMは、多作でCD化も早かったせいもあって、この一枚だけ残している。
裏ジャケットも好きだ。
メンバーもサイドギターがAlabama Jr. Pettis、ドラムスがNate Applewhiteと、ボクが好きなメンバーだ。
ちょっと脱線気味だが、続ける。
「これっぽちしか残していない」と泣きたくなる有様だが、
CD化が待たれるレコードも見つけた。
A.C.REED & THE SPARK PLUGS
『Take These Blues and Shove' Em』
説明不要のAlbert Collinsの不動のバックアップバンド、The Ice Breakersの中核、サックスのA.C.ReedとドラマーのCasey Jonesでの別働隊だ。
ここでもLurrieがひょっこり弾いていて、Billy Branchのハーモニカも聴ける。
ちょっと凝りました的なジャケットも良い。なぜにCD化されない?
もう一枚。
ANDREW BROWN
『On The Chase』
もはやシカゴブルースの黄金期を知る数少ない一人、
ハーピストのJames Cottonが、今年東京だけだが来日する。
前回の来日では、大阪公演もあって、一番最前列で観たが、声を失って、あの汗だくで飛び跳ねる足腰も失ったが、愛嬌ある笑顔を見せてくれた。
東京だけという日程も残念だが、今回のバックアップメンバーのドラマーに、
Jerry Porterの名がクレジットされている事に大阪公演日程が無い事が甚だ残念だ。
上のMAGIC SLIMのメンバーの時期もあったが、BUDDY GUY & JUNIOR WELLSのドラマーとして有名だ。そのド迫力のドラムは、いとも簡単にYouTubeで見つけられる。
James Cottonとの近年の映像(今回と同じ編成だろう)も観られるが、変わらないタイトなシャッフルを聴かせてくれる。
もっとも筋金入りのブルースファンならば、
仕事などほっぽり出して駆けつけるのだろうね。
そのJerry Porterが、このアルバムで全編叩いている。
是が非ともCD化望む!
EDDIE C. CAMPBELLもMAGIC SLIMもまだまだボクたちの様な遠く離れたブルースファンに素晴らしい演奏を残してもらわなければならない。
EDDIE C.もブルースシーンに復活を遂げ、新譜を連発していた矢先だ。
SLIMも新しいバンド編成になったという。
息子であるShawn Holtが、代役を務めている。
そして、EDDIE C. CAMPBELLのこの曲、一体何回某君と真似っこしたことだろう。
事態の解決と回復を心から願っています。