指先のかじかむ日々。
雪国から届く天気ニュースに比べ、これくらいのことでへこたれる大阪人は柔だ。
今年は、初冬に一度だけ防寒タイツを履いたが、コートも着ず、平素は過ごしている。
しかし、光熱水道費は去年より多いと、家人がポストに放り込まれていた領収書の数字を見比べて呟く。
「暑さ寒さも彼岸まで」とするならば、まだ二ヶ月はこうした日日が続くのか。
土曜日。
夕刻、大野木氏から電話が鳴った。
「先にリハーサルやるで?」短いやりとりだった。
そう、京都からハーピスト大野木氏率いる
大野木一彦ブルースバンドがフルメンバーで大阪にやってきている。
しかも場所は、
シカゴロックである。
シカゴロックで行われる不定期ライブは、プロもアマもバンドあるいはユニット、弾き語り2ステージ構成が基本だった。
近頃は、対バン形式1ステージづつの傾向も定着しつつある。
ライブハウスでのブッキングライブを中心にしていた駆け出しの頃は、当たり前だったことだが、対バンは良きも悪くも緊張するものだ。
同じブルースを土台にしながらも、この夜はその毛色の違いは始まる前から一目瞭然だったと言える。
大野木一彦ブルースバンドは、不動のメンバーを擁し京都を中心に活動、BSMFレコードから数年前には、初のCDも発売している。
一方対する我が方は、あろうことか、一夜限定(と思われる)即席ユニットなのだ。
メンバーは、
栄チヒロのギターとヴォーカル、
Catfishことハーピスト薮下もヴォーカルを取り、そしてボクのドラムスという変則的なトリオ。
過去に3度か、チヒロとは、『チヒロ&タカギマン(別名DEEP SHUFFLE)』名義で組んだ経緯がある。
今回もボクが一方的にチヒロを口説く為に、Catfish YABUSHITA氏を担ぎ出した訳だ。
二人とも、一筋縄にはいかない、つかみ所のない独特なキャラクターを持っている。
ボクの様な凡人には、そうそうに真似出来ない。羨ましいかは別だ(笑)
チヒロとの出逢いからは、20年は過ぎもう四半世紀近くになる。
その頃、彼はふらっとシカゴに手ぶらで旅立った。無一文にも関わらず。
21歳になっていないのでブルースクラブには容易に入れない。
シカゴでの数ヶ月の土産話は後日談として面白おかしく聞く。
例えば、とある楽器屋で、メーカー不明のギターをポケットのジャリ銭を見せて値切り購入し、それを引っ越し用のビニールテープの結んで地下鉄を乗り継いだ話、外食する手持ちも無いので、パンと水道水で暮らしたこと、ギャングにカツアゲされたことなどなど・・・枚挙にいとまがない。
写真は、マックスウェル・ストリートで演奏する二十歳のチヒロ。
Catfish氏も、アメリカ南部を放浪し、えっ!?という今は亡きハーピストを片っ端から追いかけたと、いつかのの雑談で話してくれた。葉巻をプカプカ吹かしながら、シカゴロックの金曜日ジャムの常連にもなってくれている。
そんな放蕩者だったチヒロも今や普段はペンキ職人として、また家では得意の家事のほとんどをこなすという。
勿論、ライブは我々が先鋒である。
リハーサルでは、「こんな感じで。」で終わり、先にPAバランスをとって(シカゴロックではこの作業が大問題)、近くに腹ごしらえに向かっていた大野木氏御一行。
そのすきにCatfish、大野木氏のアンプバランスをこっそりメモったりしている(その後、一人慣れた天神橋筋商店街へ消えて行く・・・)。
ボクとチヒロ、バーテンのI山は居残って、相変わらずの雑談をしていたらご常連さんが早々と入店され、ジャムでお世話になっているミュージシャン方などお客さんは有り難い事に思った以上に来て頂いた。
Catfishの即興インスト(当然、緩めのガッゴガーッゴ)で始まる。
やっぱりヨタヨタもあったが、約一時間あっという間に終わった。
ご存知の通りシカゴロックの構造上、ドラムセットから客席は全く見えない。
ボク自身ではお客さんの反応を確かめる術は無かったが、一曲久し振りに唄わせてもらったりした。
エンディング?では、チヒロ、何を思ったかギターを置いて、ドラムとハーモニカだけをバックに店内を練り歩く。果たして受けたんでしょうか?
大野木ブルースバンドは、勝手の違うシカゴロックの音環境に何度もリハーサルから四苦八苦しておられたが、新曲も交えて、息の合った変わらぬ演奏で締めて頂いた。
時間があれば、ジャムセッションでもやりたかったところだが、遠方ということもあって終演後に短い言葉と握手を交わして「今度は、京都で!」と見送った。
再びこのユニットが、今後集まる事は想像出来ない。
実際、チヒロともCatfishとも別れ際にそんな言葉を交わすことはなかった。
というボクの胸の内では、シカゴロック限定でをこっそり企んではいる・・・。
ギターの三島氏が、MCで唐突に発表しておられた。
大野木一彦ブルースバンドとしての第二弾CDの発売準備が進行中だそうだ。
ファンには、朗報ですね!
お越し頂いた御客様有り難うございました。
そして共演の大野木氏、三島氏、重いウッドベース持参だったZEE氏、ドラムの橋本氏もさぞ叩き難かったことでしょう。
さてさて、そんなチヒロとは、昨年から何かと一緒にやる機会が増えました。
発端は、シカゴロックマスターS山氏。
STONE COLD BLUES BAND
命名もマスターです。
この名義でのライブが、月が変わって2つ決まっております。
まずは、2月2日(土曜日)
"Subterranens(サブタレニアンズ)"
イベント名ですが、古い付き合いの人ならば、「あれ?」と思ってくれるでしょうか?
2002年まで、松屋町筋の裏通りに小さなバーがあり、そこを月一度の根城にしていた時期があったのです。なんばや梅田での路上演奏時代に唯一ライブを定期的にやらせてもらっていました。
平日や昼間のランチタイムも個人的にボクはお世話になったし、のちに某仲間が店を引き継いだこともありました。
20代最後30歳になる夜、カウンター越しに他愛もない愚痴をこぼしながら、ジンバックを舐めた夜。忘れもしません。それから15年が経ったのです。
そのサブタレニアンズ関係者が、主催するイベントに呼ばれる事になりました。いや、こっちが頼んだんだ。
しかも、まさにその「サブタレニアンズ」があったあの場所です。
伊勢から急遽、彼も縁のあるアイパー大西も呼びます。
(クレジットに、w/Ayako Minamiとなっているのは、ボクの大きな勘違いで、ちなみに彼女は東京3Daysライブが控えています!)
Stone Cold Blues Band w/アイパー大西
栄チヒロ/ギター、ヴォーカル
久米はるき/ギター、ヴォーカル
三木あきら/ベース
TAKAGIMAN/ドラムス
アイパー大西/ハーモニカ、ヴォーカル
場所/地下一階
時間/18:00オープン 18:30スタート
チャージ/2,000円(1ドリンク)
他出演/カワガラス
暴言SALE
SARAEVO
DJ/Mitsuo Tanei
Food/Koum (タンドリーチキン・タコバーガー・ミネストローネ)
地下一階ホームページ
http://www.perversion-web.com/chika-ikkai/top.html
大阪市中央区南船場1丁目1-12 企業交流プラザビルB1F
TEL.06-6263-1133
もうひとつは、これ!
今月初めてお世話になった心斎橋のCOHIBAで、単独で2ステージ。
この日は、Ayako Minamiもアルト、吹いてくれます!
前回も皿を回してくれた、ブロンさんが今回もハウスロッキンしてくれます!
ジャムセッション突入の可能性もあります。
是非、お越し下さい。踊りましょう!
STONE COLD BLUES BAND
with Ayako Minami (Alto Saxophone)
2月10日(日曜日・翌日は祝日です!)
場所/心斎橋 DINER BAR COHIBA
時間/19:30オープン 20:00〜
チャージ/2,000円(別途飲食)
大阪市中央区心斎橋2-7-11 日宝ロイヤルビル2F
TEL. 06-6213-6687
http://www.teddyboyrocker.com/cohiba/cohiba.htm
この夜が、ファースト・コンタクトだったかな?
是非!是非!是非、お越し下さいませ!