ここまで、根気よく読んで頂いた方々、ありがとうございます。
「いったい、なんのこっちゃねん?」
そんな声が聞こえて来そうではありますが、『ロジョウ』の話は尽きません。
それくらいに10数年の思い入れが詰まっているんだなぁと、あらためてアルバムに残る写真を選びながら(中には、掲載したくても障害のあるものも多数)、一人感慨に浸っています。
この思いをもしかしたら、あの時、あの場所で偶然に通りかかり、立ち止まり、耳を傾けてくれた人が読んでくれたとすれば、それはそれは感激です。居たらいいな。
そんな期待を抱きつつ、そろそろ総括をしたいと思います。
『ロジョウ』は次第に公権力とのいたちごっこになってしまいます。
始めた頃は、場所取りなど無用だったのが、次々に同じ様なバンドも続々出現するのでした。
それもこちらのオンボロ機材とは違い、路上ライブハウスでもやるのか?というくらいに豪勢な仕立ての人達も居ましたし、こちらもたじろぐ程の爆音を鳴り響かせる人達も居ます。
グルーピーやスタッフを引き連れた人達にはジェラシーを感じました。
場所取り合戦と公権力との2つの闘いを強いられていくのです。
これには正直頭を痛めます。
何度も、撤退を余儀なくされることも増えてきます。
まだ若かったせいもあり、衝突する事もしばしば・・・。
仲間の何人もの指紋が南署の交番で採取されたことか・・・。ちなみにボクも相当多いと思います。悪い事すればすぐ足がつくかもしれません。
そんな障害があればあるほどムキになるのが、若者の特権でもあり、ガソリンスタンドに寄っては発電機に数リットルのガソリンを注入する夜は継続していきました。
何枚かめぼしい写真があったので、掲載します。
99年頃の演奏風景の写真が多い事に気づきました。
家人が(この時は違いましたが)、この頃毎日の様に取り囲む輪の中に居た事が昨日のことの様です。
やはり枚数が多いのはゲットーパンチでした。
ナンバと梅田を股にかけていましたから。
画像はタカ・サイトウです。
タカは、いつの間にか東京から大阪に住み着いてしまいました。『ロジョウ』がきっかけだったかは、本人に確認が必要ですが、きっとそうでしょう。
そしてタカは『ゲットーパンチ』の一員となります。
画像は5人になったナンバでのゲットーパンチ。
サブタレニアンズで、女の子のお客さんに囲まれて演奏するゲットーパンチ。
演奏終了時間の設定など無いに等しく、終電が無くなっても、観ている人が要求する限り演奏はやめません。それが平日だろうと、次の仕事の都合など誰も口にしないのが掟です。
終演後に残ったお客さんとの交流、座談会も恒例でした。
99年の秋の日付の集合記念写真。
この夜はゲットーパンチの順番だったはずが、関係の無い小生やチヒロ君も中心に写ってます。ただ家に居ても気になって仕方ないので、偵察がてら遊びに来たのでしょう。
がむしゃらに突き進んだロジョウにも、様々な事情が絡み合って、中断と再開を繰り返していく。
最後までこだわり続けたのは、チヒロクインテットの面々でしたが、それも徐々に勢いを片っ端から打ち消されてしまうのでした。
ボク自身も長い中断を経て、新たに若いメンバーを加えて、『ロジョウ』に再チャレンジを始めたのは、2005年頃からでしょうか?
20代だったボクも40に手が届く年月が流れています。
当初の物珍しさは、すでにありません。
通行人は、「またか・・・」という目で通り過ぎていく。
そんな、
ナンバと梅田のロジョウ
が、残してくれたモノは何だったのか?
自問自答してみます。
あれだけの人が円を描いて、耳を傾けてくれた理由を探しています。
見ず知らずの人からの「がんばれや」の言葉、差し入れの瓶ビール、心付け、今も残してある感想用紙に残る暖かい激励の文字・・・。
その有り難みを当事者が一番軽視してしまったのではないか?
そんな悔恨の気持ちが、何枚もの写真から湧いています。
現状、あの頃の様にロジョウへくり出す事には障害が多すぎます。
最後に少し名残を感じ取れる映像が残っています。
これも、仲間による撮影ではなく、たまたま通りかかったシカゴから来た観光客の手によって、YouTubeで配信されていたものです。
2006年6月、岡部キングとボク、サイドギターとベースにまだ高校生の様な久米君と三木君が登場しています。
閲覧件数が25,000回を越えているというのが、不思議な現象です。
コメントも多数有り、国籍も様々。はっきり言って戸惑います。
「こんなネットの力がロジョウの当初からあったなら・・・」とも思いますが、無かったからこそ味わえた感触や感情があったと思いたいです。
本日4本目を書き終え、締めの言葉を考えましたが、見つかりません。
まだ心の大部分に『ロジョウ』は終わっていないと思いたいのです。
上の25,000という数字を遥かに越える人達が目の前をきっと通り過ぎた事でしょう。
ふと、どこかで、
「そう言えば、あの若者達はまだブルースやってんねやろか?」
そう思ってもらったら、なんて幸せなんでしょう!
としたら、
遠くから叫びましょう!
「おおきに〜まだしつこ〜〜く、ブルースやってまっせ〜〜〜」