『坂本龍馬(もしくは竜馬)』
現在NHK大河ドラマはご存知『龍馬伝』です。
放送開始以降日曜8時には、テレビの前に姿勢を正して座ってる。
両親は小生の名に、この竜の一字を拝借した。
だから小さな頃から、坂本龍馬に対する特別な気持ちと親近感を持って育った。
それは常に漠然としていて、実際に竜馬の短い生涯を追いかけ始めたのは近年になってからである。
竜馬についての書物を読んだり、調べたりするうちに、一介の身分の低い脱藩浪士の彼が驚異的に駆け抜けた幕末回天の歴史へも次第に興味を持っていく事は自然の流れだった。
今回、その竜馬を演じるのは、歌手であり俳優の福山雅治である。
竜馬ファンの間では、「龍馬を誰が演ずるか、また適役なのか」という議論は、配役が決定しないうちから予想と希望で大激論が繰り広げられていたことだろう。
例えば戦国時代などと明白に相違するのは、幕末の烈士達の大半の写真が現存するという決定的イメージの固定がある。
誰もが抱くであろう竜馬像はあの有名な片手の袖を抜いて、袴にブーツ姿でカメラのレンズから目線を逸らして構えるあの一枚になるだろう。
他にも高杉晋作や桂小五郎、大久保利通、伊藤俊輔(博文)、井上馨、西郷隆盛(写真はないですけど)、近藤勇に土方歳三、松平容保、勝海舟などなど肖像が残された幕末の主役達は多い。
それは、信長や秀吉、謙信、信玄、政宗などの戦国武将と比べ、現実感として視覚的に大きな差異が生じてしまう。
特に熱狂的な支持者の多い龍馬役となったらその賛否の程は、始まる前からドラマの善し悪しを決めてしまうくらいに重大な問題になろう。
NHKのキャスティングもこのあたり実際に大いに悩んだと推測する。
ちなみに大河ドラマで幕末を取り上げると視聴率が下がるという法則めいたものがあるらしい。
今回の龍馬役決定まではマスコミ、メディアも巻き込んでの推測合戦になった。
当初、マスコミの一部は、あの息の長いアイドルグループのあの人が内定していたが、急遽降板したという嘘か誠かの報道をした。
この噂をNHKは、全面的に否定して火種を消そうと躍起になっていたらしい。
ボク自身、福山雅治と竜馬像が結びつかなかったし、果たして時代劇初出演という彼の演技力に対する不安は大きすぎて、観るべきかすら悩んだ。
いくら彼の出身地が竜馬に最も縁の深い地のひとつ、長崎であったとしても無理があるなぁが感想だった。
結局は、欠かさず視聴者になり、幕末ものにしては高視聴率を記録し、ボク自身回を進むごとに「福山龍馬」に愛着すら湧くようになっている。
「なんぼなんでも、それは脚色が過ぎる」という場面も多々見受けられるが、
歴史が興味深く面白いところは、「もしかしたら龍馬なら武市半平太にそう言うたかもしれん」と想像を膨らませられるところにもある。
先日から第3部が始まり、高杉や桂小五郎、西郷さんらがいよいよ龍馬との駆け引きの中、一気に維新へ突き進むクライマックスがスタートした。
おりょうさんとの仲も見所だろう。これからの展開に胸が高鳴っている。
さて、ここからが今夜の本筋・・・。
先日、その名付け親の母が高知を旅して帰った。
格安の『龍馬ツアー』に参加して来た。
二泊三日で、四万十川や足摺岬を巡る旅だが、その道中龍馬ゆかりの地を訪れるという企画らしい。
龍馬はじめ土佐藩士が通った脱藩の道や龍馬像が見下ろす桂浜など。
「オレの名前になんで竜馬から一字付けたんや?」と訊ねると母曰く、
「なんとなく、そうなった」といつも曖昧な答えしか返してこない。
そんな母は四国の出だが、同じ四国でも土佐の高知とは文化的地理的に大きく違う香川県である。
司馬遼太郎の代表作『竜馬がゆく』の連載が完結したのが、昭和41年。
その原作を元にNHK大河で北大路欣也主演でドラマ化したのが、ちょうどボクが生まれる43年の事だから、きっとそれら竜馬ブームに安易に相乗りしたというのが真相だろう。
運良く当日は梅雨の合間の晴れ間に当たって、「楽しかったわ」と土産を持参してきた。
お決まりの大河便乗の品を手渡された。
『龍馬の微笑み』とちょっと恥ずかしいネーミングのお饅頭。
さてさて、この包み紙で微笑む龍馬と思しき肖像を目を凝らしてご覧あれ!
この包み紙を開けようとしたボクは、大声を上げて叫び、そしてズッコケて笑った。
「これ完全に、木○○哉や!!!」
もう一枚アップでどうぞ!
パッケージには、NHK承認の文字シールと『龍馬伝』のロゴがしっかりと印刷がされている。
「ぱっちもん」ではありませんと、謳っているわけだ。
皆さん、これは誰がどう見ても、福山龍馬ではないでしょ?
『キ○タク龍馬』でしょ?
NHKが彼にはオファー等一切出していないというのは、この饅頭の包み紙が真っ向否定したことになる。
地元菓子業者の勇み足ともとれるが、まだ決まってもいない特定の人物に似せるはずはない。直前まで龍馬役は、あのスーパーアイドルに内定していたという動かぬ証拠だ。
では、なぜ彼はこの役を断ったのだろう。
この龍馬ブームに、今頃歯ぎしりしているだろうか・・・?
しかし、この人も龍馬のイメージにピッタリとも思わないなぁ。よく見たら胴長短足だし、龍馬の剛胆さやユーモアを演じきれるとも思わない。
そう比べれば、福山竜馬の方が一歩リードかな・・・?
『龍馬伝』視聴者の皆さんのご意見ご感想待っています。